落花生は、英語で「Peanuts」(ピーナッツ)。
「pea」は「豆」「nuts」は「木の実」。2つの言葉を合わせた「木の実の豆」の意味から出来ている言葉なのです。そんな英語の「ピーナッツ」、実は落花生の栄養をうまく表現しているのです。そう「木の実」の栄養と「豆」の栄養の特徴を合わせ持っているのです。
えんどう豆、あずき、そら豆等の豆類の主な成分は、炭水化物50%以上、たんぱく質約20%と低脂肪・高タンパクなのが特徴です。一方アーモンドなどのナッツ類は、炭水化物に代わり脂肪(油)が50%以上となっており、高カロリー食品なのが特徴です。落花生は、ナッツ類の特徴である脂肪分が約50%と豊富で、豆類の特徴であるたんぱく質が25%です。この様に、落花生は「木の実」と「豆」の栄養のハイブリッドでバランスの良い食品なのです。
カロリー | 613kcal |
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たんぱく質 | 25.0g |
脂質 | 49.6g |
炭水化物 | 21.3g |
灰分 | 2.4g |
水分 | 1.7g |
資料・「日本食品標準成分表」2020版(8訂)」
○ 健康的な植物性油
落花生の約半分は脂肪(油)です。その脂肪の構成成分のうちの約半分がオレイン酸、約3割がリノール酸(※)となっています。オレイン酸はオリーブオイルに代表される脂肪酸で、善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロールを下げると言われています。
○ さつまいもをしのぐ食物繊維
食物繊維は、人の消化酵素で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。腸を刺激して、腸のせん道運動を活発にされることにより便秘の予防をはじめとする整腸効果があります。血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。落花生100g中に食物繊維は11.4gあり、食物繊維を多く含む食品の代表のサツマイモ3.8gや、ごぼうの6.1gを凌いでいます。
資料・「日本食品標準成分表」2020版(8訂)」
ナトリウム | 2mg |
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カリウム | 760mg |
カルシウム | 50mg |
マグネシウム | 200mg |
リン | 390mg |
鉄 | 1.7mg |
亜鉛 | 3.0mg |
銅 | 0.69mg |
マンガン | 2.15mg |
資料・「日本食品標準成分表」2020版(8訂)」
○ 各種ミネラルが豊富
ミネラルは、体の機能の維持・調整に必要な微量栄養素です。人間の体では作ることが出来ない為に、食物からバランスよく摂ることが大切です。落花生は、ミネラルが豊富で、各種ミネラルがバランス良く含まれています。特に鉄分はほうれん草の約2倍、亜鉛は卵の約3倍、カリウムは生わかめ並に含まれています。
「参考・「健康食品」の安全性・有効性情報」国立健康・栄養研究所」
○ ビタミン
落花生は、ビタミンB群、ビタミンEが豊富に含まれております。ビタミンEは、抗酸化作用があり、免疫機能を高めてくれる作用があります。またビタミンB群、特にナイアシンが多く含まれており、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンA | 7μg |
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ビタミンE(トコフェロール) | 17.6mg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.13mg |
ナイアシン | 23.0mg |
ビタミンB6 | 0.46mg |
葉酸 | 58μg |
パントテン酸 | 2.20mg |
ビオチン | 110μg |
資料・「日本食品標準成分表」2020版(8訂)」
落花生には、赤ワインで話題になったポリフェノールの一種のレスベラトロールが含まれていて、特に渋皮に多く含まれております。レスベラトロールは抗酸化物質で、体内で活性酸素の働きを阻害したり、活性酸素そのものを除去する物質です。抗酸化物質を含む食品を食べることにより、身体の酸化を抑え、身体の機能を低下させないようにしてくれます。
落花生は食材としても大変魅力的です。乾燥させた落花生は、簡単に長期保存が可能なので使いたい時に少量から使え、また加工済みの落花生の「ピーナッツパウダー」や「ピーナッツクリーム」を使えば簡単レシピや時短料理に。
それは料理の仕方で様々な美味しさに変化します。昔から広く親しまれている味「煎る」。そして地元の味で親しまれている柔らか食感の「茹でる」。落花生と相性がいい「揚げる」。また他の食材に加える事によりカリカリの食感を加えたり、香り、風味を豊かにさせてくれるのも落花生の魅力です。
料理にもお菓子にも、もちろんそのままでも美味しい落花生。是非、ご家庭の常備食材としてご活用ください。
材料の落花生(生落花生)は、料理方法によって最適な状態があります。ご自宅で栽培した落花生を使用して料理する場合は以下の一覧を参照して、最適な生落花生をご用意ください。
落花生の乾燥の目安は、むき実を指で押して硬くなったらOKです。
煎り用 | ゆで用 | 揚げ用 | |
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さや付き乾燥生落花生 | ○ | × | × |
むき実乾燥生落花生 | ○ | ○ | ○ |
穫れたてさや付き落花生 | × | ○ | × |
料理は出来立てが一番美味しいですよね?落花生の商品の主な料理方法(加工方法)は、「煎る」「茹でる」「揚げる」の3つ。
簡単そうで難しい?案外お手軽?ぜひ、ご自宅で専門店の味に挑戦してください。それぞれをから付き落花生とからを取り除いたむき実落花生でご紹介致します。
材 料
収穫したてのから付き生落花生 300g
食塩 大さじ3
作り方
○普通鍋を使う場合
生落花生300g、水500cc、食塩大さじ3を入れ、火にかける。沸騰したら弱火にする。蓋をして45分程茹でる。茹であがったらざるに取り、水気をよく切り器に盛る。
おおまさりの場合は、茹で時間は、50分~60分
○圧力鍋を使う場合
生落花生300g、水400cc、食塩大さじ1.5を入れ火にかける。蒸気弁がまわり出したら弱火にして(弁がゆっくり回るくらい)8分、火を止めて5分蒸らした後、ざるに取り、水気をよく切り器に盛る。
注意:乾燥した生落花生を使用すると硬いので、収穫したての落花生を使用します。
メモ
さやを割ってお召し上がりください。保存をする場合は、茹であがったものをポリ袋に入れ、冷凍保存してください。
落花生を使ったレシピをご紹介します。生の落花生を使った料理だけでなく、お手軽にゆで落花生、煎り落花生、ピーナッツパウダー、ピーナッツクリーム等を使うと様々な味わいを見せます。食感や香りが豊かだから、料理やお菓子に少し加える「ちょい足し」も美味しい。是非、落花生の新しい味わいを発見してください。
材 料
とりもも肉 1枚
お好みの野菜(きゅうりやレタスなど)
A
水 たっぷり
長ネギの青い部分
しょうが 1片
酒 大さじ3
B(たれ)
食べるラー油 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
きざみネギ 大さじ1
しょうが 小さじ1
ゆで汁 大さじ1(うす味をお好みの方はお入れください)
きざみ落花生 大さじ1(バターピーをきざんだもの)
作り方
1.Aをなべに入れて沸かし、とりもも肉を加えふたをして5分煮る。
2.火をとめて、そのまま30分以上おいておく。
3.Bを混ぜあわせると共に、お好みの野菜を切る。
4.とりもも肉を薄切りにし、お好みの野菜とともに盛り付ける。
5.3.をかけ、その上に飾り用の落花生を散らす。
メモ
Bのたれに関しては、冷しゃぶなど料理のたれとして使用することも可能です。
きざみ落花生を飾りつけ用として残しておくと、食感と風味が増します。