ますだは、地域の皆さんと共に「あったかい」つながりを大切にしております。現在私たちが落花生を通して、地域の皆さんならびにお客様と取り組んでいる「あったかい」活動の一部をご紹介いたします。
2009年、落花生の試験農場事業(トライアル農場)を始めました。
このトライアル農場は、生産農家から頂いた要望・問題点をふまえ、生産農家では採用が難しい試験的な栽培方法を積極的に行っております。現在は主に連作障害の抑制と農作業の省力化の試験を行っています。
農業は素人レベルでしたので、生産農家さんの多大なるご協力・助言を頂きながら少しづつ規模を広げて、現在約18,000m²の農地に3品種の落花生を栽培しています。
落花生の輪
事業を通して得た知見は、生産農家へフィードバック。さらに千葉県の研究機関・農業機械店や資材店及びメーカーとも共有し、より高い知見を得て生産農家へフィードバックしております。こうした「つながり」の輪は、新品種「Qなっつ」において力を発揮。千葉県、生産農家、そして私たち販売業者の三者が一体となって栽培方法や問題点・注意点等を共有し、研究・改善することによって、普及に大きな力を発揮しました。
落花生の花
お客様へとつながる黄色い花
「つながり」はさらにお客様へとつながっています。トライアル農場は、土作りの一環として春には「菜の花」、夏には八街市の花である「ひまわり」の黄色い花でいっぱいになります。
そして秋、9月上旬頃には収穫体験「落花生掘り」を開催。ひっそりと咲いている落花生の小さな黄色い花や、知っている様で知らない落花生がどの様に実っているかを体験できます。もちろん収穫した落花生は、ご自宅でゆで落花生に。収穫したてのぷりぷりの落花生の美味しさは格別です。
ぜひ、お近くにお越しの際には、「ますだ」にお寄りください。四季折々の黄色い花がお客様をお迎えします。
※菜の花は千葉県の花、ひまわりは八街市の花です。
ますだの工場見学に参加した小学生が「ふわふわして気持ちいい」「ザグザクと音がして面白い」と喜ぶものがあります。実はこれ、通路にびっしりと敷かれた落花生の殻(さや)なのです。干し場や未舗装の通路に敷くことで、靴を汚さないようにしているのです。
この様に、ますだでは落花生を無駄なく使用してあらゆるものに活用しています。その用途は実に様々、その一部をご紹介いたします。
シックハウス対策に殻(さや)を
新築やリフォームした家に入ると、頭痛や吐き気を起こす病気にシックハウス症候群があります。壁紙の接着剤やペンキから揮発されるホルムアルデヒドという化学物質が原因で起こるとされています。落花生の殻(さや)の表面を、ミクロの世界でみると細かい穴が無数に空いています。この無数の穴がホルムアルデヒドを効果的に吸い取ってくれるのです。
青柳象平・千葉大教授と国立医薬品食品衛生研究所において、十リットルの入れ物にホルムアルデヒドと、さまざまな大きさに砕いた殻(さや)を入れて約四時間後の濃度変化を測定しました。その結果、単に手で砕いた殻(さや)でも約80%のホルムアルデヒドが吸収されました。細かくするほど効率が良く、ミキサーで砕いたものは約90%まで取り除けたそうです。(読売新聞より)
馬の住まいに
2011年3月の東日本大震災は、東北の農作物に被害を与え、馬の住まいである厩舎の床に敷く敷藁(しきわら)も不足しました。その結果、敷藁の価格が高騰し代替品が求められておりました。当時八街市の市議会議員だった川上雄次さんが、処理に悩んでいた落花生の殻(さや)を藁の代替品へと発案。八街のミニミニ倶楽部さんが試作し厩舎に提供したところ、殻(さや)が臭いを吸着し藁以上の快適な環境になったと好評でした。現在では厩舎の敷料として定着し、大井競馬場の厩舎等で活用されております。
さらに牛にも
選別で選り分けられた傷・欠けた豆・しぼんだ豆などの商品原料にならない落花生も、決して無駄にしません。こうした落花生にも豊富に栄養が含まれており、牛の餌として活用しています。どんぐりを食べて育つ「イベリコ豚」ならぬ、落花生を食べて育つブランド牛「北総和牛」「北総花牛」として形を変えて、お客様へ美味しさをお届けしております。